店舗が集客に成功し経営を安定させるために、マーケティング戦略を掘り下げることはとても重要です。
開業のために銀行や商工会議所から資金を援助してもらうために、店舗のマーケティングをまとめた資料などを作成した経験のある店舗もあるかもしれません。
しか資料にまとめたようなマーティングだと、いざ開業して宣伝・集客をしても想定したような結果にならず、集客に苦労して毎月の売り上げに追われる毎日になってしまいます。
だからと言って店舗マーケティングは必要ないということではありません。むしろ上手くいかない場合はマーケティングの掘り下げが足りていなかった可能性が高いです。
そこで今回は「店舗が集客に成功したいなら必ず行うべきマーケティング戦略」について詳しく解説をしていきます。
「マーケティングとは」から始まり、「店舗がマーケティングで掘り下げるべき項目」や「実際にマーケティングによって開業すぐに経営が安定した店舗事例の紹介」までを解説するので、この記事はあなたの店舗の集客に必ず役に立つと思います。
マーケティングとは
そもそも「マーケティングとは」ということについて正確に理解しておかないと、集客に成功するマーケティング戦略を作ることは出来ません。
辞書的な意味では次のようなものです。
マーケティング(marketing)とは、企業活動における「売れる仕組みの構築」に関する活動の総称である。
市場と顧客の需要を明確にし、それに基づき商品を作り、商品の存在を広く知らせつつ需要を喚起し、そして顧客の需要を満たし、最終的に自社の利益にも繋げる、といった一連の戦略的な企業活動の総体である。
https://www.weblio.jp/content/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0
またMBA辞書では次のように書かれています。
セリング(販売)は、今日や明日の売り上げを確保するためにどういう広告宣伝、販売促進をするか考えることが主な活動である。 一方、マーケティングは、顧客にとって価値のある製品やサービスを提供するために必要なすべての要素をコントロールする役割を担い、その結果、顧客からの信頼を勝ち取り、継続的に成長することを目的とする。
https://dictionary.goo.ne.jp/leaf/mb/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0/m0u/
マーケティングというのは、店舗で提供する商品やサービスを売るための仕組みの構築を作るための活動であるが、「売り込み」ではなくて、お客様が「ここのお店を利用したい」と自発的に思ってもらうための仕組みを作ることだと言えます。
「マーケティングをすることは、なんかお客様に売り込みをしているようでなんかイヤだ」と思っている店舗の経営者さんは、そもそもマーケティングのことを誤解している可能性があります。
店舗マーケティングとは
では店舗マーケティングとはというと、下記のような定義になるでしょう。
定義
店舗マーケティングとは、売上を最大化させるために、商圏分析・商品企画・顧客分析に基づいて戦略を作り、お客様に自発的に店舗を選んでもらうための施策を行うこと
ポイントは2つです。
①商圏分析・商品企画・顧客分析
②戦略に基づいた施策
集客に上手くいかない店舗のマーケティングはこの2つを掘り下げられていないと言えます。
集客に成功するための商圏分析・商品企画・顧客分析とは
では店舗集客に成功するためのマーケティングでは、いったいどのようなことを行えば良いのでしょうか?
それは商圏分析・商品企画・顧客分析を掘り下げることが重要です。
とはいえどんな風に掘り下げれば良いのかわからないから、上手く集客戦略を作れていないのですから、ここではマーケティング分析の方法について解説をしましょう。
STP分析
顧客分析を行う際には、「セグメンテーション」と「ターゲティング」「ポジショニング」という分析法を利用するのが有効です。それぞれの頭文字を取って、STP分析を呼ばれています。
セグメンテーションとは
顧客をさまざまな切り口・観点から分類すること。
セグメンテーションを行うことで、自分のお店で提供するサービス・商品がどのお客様の層に必要とされるかを見極めることが出来ます。
ターゲティングとは
セグメンテーションで分類した顧客層から、自分のお店に合っていそうな層を選ぶことをターゲティングと言います。
シンプルに言うなら、「勝てる市場を選ぶ」ということです。
ターゲティングを行う際は、「提供している商品・サービスの強み」や「競合店との違い差別化できるところ」などを元にして決めていくと良いでしょう。
ポジショニングとは
ターゲティングで選んだ顧客層に対して、自店の商品・サービスが競合と違うということを伝えるのがポジショニングです。
ターゲティングで行ったような自店のサービスの強みや競合店との違いがここでも活かされるでしょうし、また顧客のニーズがどんなものかを調査することもポジショニングに活かすことが出来るでしょう。
「セグメンテーション」と「ターゲティング」「ポジショニング」という言葉だと難しく感じられてしまいますが、要は「顧客層を分けて」「その中から自店に合う層を選び」「その層に合わせた情報を伝える」ことが重要だということです。
掘り下げが足りないから失敗する
「STP分析は自分もやったけど、集客出来なかったよ」というお店もあるでしょうか、その場合はSTPのどれかが掘り下げが足りていないのだと思います。
セグメンテーションの掘り下げが足りていなかったら、当然正しくターゲティングをすることは出来ません。
ターゲティングが上手くいっていなかったら、どんなにポジショニングで努力してもお客様に情報は伝わりません。
例えば治療院業界では、開業時に間違ったセグメンテーションが行って集客に躓くケースが散見されます。
顧客層を「男女」×「30代」「40代」「50代」「60代」などというような分類をして、「30代と40代の女性」をターゲティングして、その層に伝わるように提供サービスをアピールするのです。これは集客に非常に苦労します。
治療院というのは「治療」を提供していますが、果たして治療は年代別・性別で分けるべきなのでしょうか?
病院・クリニックなどは、女性特有の疾患を専門に扱うところ以外は年代・性別で分けることはありません。分けても意味がないからです。
なので治療院ではセグメンテーションを間違ってしまう結果、ターゲティングもポジショニングも間違って行ってしまう店舗が多いです。
4C・4P
STP分析が適切に行うことが出来たかを確かめるために、4C・4Pを利用することをおススメします。
4Cは消費者視点からあなたのお店やサービスを掘り下げる、4Pは店舗側の視点から強みや顧客層を掘り下げることに役立ちます。
4C
・価値(Customer Value)
・コスト(Cost)
・利便性(Convenience)
・コミュニケーション(Communication)
4P
・製品(Product)
・ 価格(Price)
・ 場所(Place)
・ プロモーション(Promotion)
4C | 4P |
価値(Customer Value) | 製品(Product) |
コスト(Cost) | 価格(Price) |
利便性(Convenience) | 場所(Place) |
・コミュニケーション(Communication) | プロモーション(Promotion) |
先ほど治療院の事例を挙げましたので、ここでも治療院を例にします。
Customer Value/Productは、あなたのお店が提供する商品やサービスを掘り下げるため使います。
治療院の提供するサービスは「治療(Product)」です。これのCustomer Valueつまり顧客にとっての価値は「痛みなどの悩みが改善すること」です。
コスト/価格はどうでしょうか?
治療院側にとっては治療費は単なる価格かもしれません。しかし顧客側に立ってみると、単なる価格ではありません。「治療費+交通費+時間」という様々な要素が顧客側にはあるので、総合的に価格戦略を考えないと集客に失敗してしまいます。
利便性/場所を考えると、治療院をどこに構えるかということにつながります。
なるべく固定費を下げたいのが治療院側の気持ちでしょうから、家賃の安い場所を選びたくなるかもしれません。
しかしそうした場所は往々にして駅から遠かったり、見つけにくかったり、顧客側にとっては不便だったりします。
安いけど遠い場所に治療院構えた時に、痛みで悩んでいる人は通えるでしょうか?そんな視点を持って分析することが出来ます。
コミュニケーション/プロモーションでは、どんな宣伝を行うかの掘り下げを行うことが出来ます。
顧客側視点のコミュニケーションでは「顧客がどんな情報を望んでいるのか」という顧客の気持ちになって、店舗側が伝えるべき情報を考える必要があります。
一方で店舗側の視点では、どんな方法を使って店舗の情報を伝えるかを検討する必要があります。
ホームぺージやGoogleマップ、チラシやSNSなど。様々な方法と伝えるべき情報を比較して選択していきましょう。
STP分析をチェックしてみると
STP分析を行うことで、顧客層を「男女」×「30代」「40代」「50代」「60代」などというような分類して失敗する治療院が多いとお話しました。
もしこのSTP分析結果になったとしても、4C・4Pを利用すれば軌道修正することが出来ます。
例えば価値/製品(Customer Value/Product)という視点を持ち込めば、顧客の価値が「治る」であるので、価値が性別や年齢別などとは関係がないことに気づくでしょう。
つまりセグメンテーションが間違っていたということがわかるので、間違ったマーケティング戦略になることを防いでくれます。
ベネフィット
ベネフィットという考え方を使うことで、店舗自体の強みや提供する商品サービスの特徴などを明確にすることが出来ます。
まずはベネフィットから説明をしていきますが、これはメリットと比較するとわかりやすいでしょう。
メリット:顧客が得る直接的な利益
ベネフィット:メリットによってどんな良いことが待っているのか
これも治療院を例に挙げましょう。
治療院で行うサービスを受けるメリットは「症状が治る」ということです。
ではベネフィットはというと「症状が治ることで、それまで出来なかったことが出来るようになる」ということになるでしょう。
治療院のメリットである「症状が治る」というのは、どの治療院であっても得られるはずのものです。
治療院として顧客に選んでもらうためには、そこで止まるのではなくベネフィットを掘り下げる必要があるのです。
業種ごとにどの方法を採用するかが成功のカギ
SPT分析・4C/4P・ベネフィットというマーケティング分析の方法をご紹介しましたが、お店の業種によってどの方法を導入するのが良いのかは違うと考えるべきでしょう。
例えば先に挙げた治療院の場合、セグメンテーションから始めてしまった結果、間違った顧客層を想定して、間違った集客戦略をとるようになってしまいました。
マーケティングの基本ではSPT分析を行ってから4C/4Pに移るのですが、そうではなく治療院の場合は4C/4Pやベネフィットから店舗の強みを掘り下げていった方が上手くいく場合が多いです。
例えば4Cの価値(Customer Value)とベネフィットから考えてみましょう。
治療院の顧客価値は何なのか、ベネフィットはどういったものなのかを掘り下げます。
ただ治すだけでなく、どんな利益を提供できるのかをとことん考えてみましょう。
現代の人がどんな悩みを抱えていて、それをどう治療院で解決できるのかを考えてみましょう。
そしてそれが他院と差別化出来ているかを考えてみましょう。
こういう作業を続けることで、徐々にターゲットとすべき顧客層が見えてきますし、その顧客層にどんな価値を提供できるのかも自覚できるようになっていくでしょう。
戦略に基づいた施策
戦略に基づいた施策は、簡単に言うと「商圏分析・商品企画・顧客分析で掘り下げたことを顧客に伝える」ということです。
つまり顧客への情報伝達法を、あなたの店舗に合ったものを選ぶ必要があるということだと理解しておきましょう。
顧客への情報伝達法(宣伝ツール)は様々なものがあり得ます。
ホームぺージ
Googleマップ(MEO対策)
チラシ
ポータルサイト
地域誌やクーポン誌
タイアップ広告
SNS etc
このどれを選ぶのか、どれとどれを組みあわせるのかによって、お客様にあなたのお店の価値が伝わる可能性が大きく変わってきます。
伝えたいことが多いのであれば、SNSだけでは不十分でしょうからホームぺージを持つことは必須でしょう。
高年齢層に情報を伝えるのであれば、WEBB媒体よりも紙媒体の方が上手くいくかもしれません。
マーケティング分析で掘り下げた情報を元に、最適な施策を選んでいきましょう。
マーケティング分析で集客に成功した店舗事例
ではここからは、マーケティング分析を行い集客に成功した店舗の事例をご紹介します。
このどちらも正しくマーケティング分析を行い、それを施策に落とし込めたことで集客に成功することが出来ました。
マーケティング分析は「適切に」行えば必ず店舗の経営・集客に役立つものであると言えるでしょう。
まとめ
店舗が集客に成功したいなら必ず行うべきマーケティング戦略と題して、どんな分析方法があるのか、どんな成功事例があるのか、どんな失敗があるのかなどを詳しく解説してきました。
店舗を開業する時、集客を改善する時、マーケティング分析は必ず役に立ちます。
マーケティング分析上手くいかなかったときは「掘り下げ」が足りなかったからだと考えられます。自分1人で掘り下げを行うと上手くいかないものです。
店舗集客集団WAOでは、1人でのマーケティング分析に自信ない店舗のために「無料集客コンサルティング」でマーケティングの掘り下げをサポートしています。
1人では見つける事のできない視点から、集客につながる掘り下げを一緒に行うことで、経営・集客の安定につなげていきます。ぜひお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
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店舗集客集団WAOの代表。
WEBコンサルタントとして約300の店舗の集客支援を行った実績あり。
・店舗向けホームぺージ制作
・SEO対策
・MEO対策
・PPC広告の運用
などWEBマーケティングを得意としている。
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